忍者ブログ

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新CM

[08/02 ゆあん]

ブログ内検索

カウンター

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

巣箱の小鳥

リーフのお話というよりなんていうんだろう、思ったことをつらつらと。
故に文章になっていないかと。


******************************************************

小さいころから周りにはキラキラした世界が広がっていた。
物心ついたときにはもう父親はお金持で、たくさんの贅沢とたくさんのわがままを許された。
末に生まれた唯一の女だったから余計にもてはやされて。

「まあ、可愛いお嬢様だこと」

「どうもありがとう」


笑顔で塗り固めた顔の下で、いつも相手の笑顔の仮面の下の顔を想像していた。
このわがまま娘は、とでも思っているだろうかと。


私の周りの世界は、キラキラキラキラ、綺麗な世界。
私の周りの世界は、ドロドロドロドロ、嘘で塗り固めた世界。


人間って、利害が絡むとそんなものね。
別に私はそれを、憐れみも悲しみもしていないわ。



「こら、このわがまま娘」


嘘が渦巻いて雑音となっていく私の世界の中で、全ての音をかき消して響く声があった。
こつんと頭を軽く小突かれて、振り返るとその声の主はそこに立っていた。

「素直なのは奥様の前だけか?まったく」

ふう、と笑ってため息をつく。
その笑顔は仮面?

「あら、言いたいことをそのまま言ってるんだから、存外素直だと思うわ」

言うと苦笑する。

「ものは言い様だなぁ、言いたいことが全部わがままなんだけど」

本当はね、そのわがままは、言いたいことを全部隠すための嘘なのよ。

「あんま好き放題してると、お嬢様でも痛い目見るぞ?」

本当はね、キラキラ輝く宝石よりも、もっと温かいものがあるって知らないように
自分を目隠しするための嘘。

「ソティスにそんなこと言われなくたって、わかってるわよ!」

目をそらすために、ふいと目線をそらしたけれど、いつの間にかまた振り返りたくなった。

 

ソティスとファジュルって仲がいいのね。
兄妹?親子?親友?恋人?
そういう関係、なんて呼ぶの?
聞いたら、『呼び方がもうわからないから、大切な人ってことで』って言ってた。

きっと彼女には、まだまだ沢山の、大切な人がいるんだろう。
笑う顔は、仮面よりももっとずっとずっと眩しい。


『私もね、お母様が大好きよ。
 私に弓を教えてくれた。美しいのに、豪傑で気丈な人。
 お父様だって頭が上がらない。
 私に強さを教えてくれた人                 』

『末のお兄様も好きよ。
 いつだって優しかったもの。
 激しく怒ったりしないけど、いけないことは正してくれた。
 言うこと聞かないこともあったけど、それでも私に優しさをくれた人』


昔の私はそれしか答えを持ってなかった。

だけど。

「ねえお母様、私は、私の道を歩んで見ていい?
 これは、すごいわがままかしら。         」

にっと力強く笑って母が頷く。

「自分が決めたのなら、その心に従ってみるがよろしゅうて。
 妾はそなたを信じて止めぬゆえ、やれるだけのことをやってみりゃ」

短く頭をなでた。

「お父様が強く反対するであろうが、それを一蹴するくらいは力添えするえ」

と、悪戯っぽく笑って。




『私もね。』

『ソティスが大好きよ。
 私をリーフって呼ぶもの。
 お嬢様でも、リーフ様でもない。
 そして、私をリーフとして見てるもの。』

『ファジュルはね、気に入らない。
 いつもにこにこしてるのは、私が知ってる仮面に近い時がある。
 ソティスがつらい思いをしてる時、ただ見てただけだったのも許せない。
 でも、自分も同じように辛い顔をして『見守って』たのも知ってるし、
 人前だと寝ててもすぐ起きる癖に、ソティスの前ではぐっすり寝続けるのと同じように
 いつの間にか私がいてもそのまま寝てるようになったから
 だから、プラスマイナス0ってことにしておいてあげる。
 そんなこと、本人には言わないけど。                              』



今は、答えが少しだけ増えた。
私は、この答えを得るためにあのキラキラした世界から逃げてきた。
凄く危険なところにいるって知ってるけれど、
今の方がずっと温かい。


だからきっと、これからも答えが増えると信じて。
 



***********************************************************


補足:父親はリーフを溺愛してたけど、エゴが入ってる
    上に兄が3人。上二人は愚兄だと思っている(まあ実際ダメ男)
   男に態度が厳しい、のはこの3人+αのせい。
   +αの部分はソティスが絡んでくるので割愛で。
   母親は武を重んじるどっかの街の貴族系統。
   成金だった夫に、頼りないと嫁いだような人。
   ゆえに父は母に頭が上がらない。
   母に好きにさせておけと釘を刺されたけど、リーフが可愛くてたまらないので
   そっと帰ってこいコールを送り続けてリーフに「うざい」の称号をもらった形。
   成金なりの汚いことも少々やってきた。


護衛を選んだのは、ソティスとファジュルが護衛だったせいかなあ。
誰かをお金以外の力で守ろうとした時、護衛が一番手っ取り早いと思ったから。
ちなみに、今は親父の情をいいことにポケットマネーを好きかって拝借する日々。
でも以前より額がずっと減ったのは稼ぐ大変さを覚えたため。
 

拍手

PR

Trackbacks

TRACKBACK URL :

Comments

Comment Form